あなたの時計を不具合の症状から診断 します。


■症状〜 時間が遅れる(クオーツ編)
  クオーツ(電池式)で時間がひどく遅れる場合は単なる電池切れではなく、IC回路や機械部分に不具合が生じていると考えられます。主な原因は内部に細かいほこりが混入して歯車の動きを妨げたり、油切れにより駆動が重くなって起こる事がほとんどです。放置しておくと電池の消耗を早めたり、止まり症状へと発展していきますので早めに診察を受けてください。完全に止まっていなければ、オーバーホールまたは中のムーブメント(機械)ごと交換して修復できると思われます。

■症状〜 時間が遅れる(手巻き・自動巻き編)
  機械の油切れや部品の磨耗により歯車のかみ合いが悪くなったり、駆動が重くなって遅れ症状を引き起こす場合がほとんどです。無理に使用していると部品の磨耗を進めるだけでなく、止まり症状へと発展していきますので早めに診察を受けてください。早期に治療をおこなえば部品交換を最小限に抑えられるはずです。

■症状〜 時間が進む(クオーツ編)
  極端な症例はあまりお見受けしませんが、原因としてはIC回路の不具合や強い磁気を帯びたことなどが考えられます。オーバーホールのほかにIC回路の交換が必要になることがあります。また、新しいタイプの物でしたら、中のムーブメント(機械)ごと交換した方が安くて早く修理できる場合があります。

■症状〜 時間が進む(手巻き・自動巻き編)
  時計を床に落としたり強い衝撃を加えてしまった直後に現れることがあります。主な原因は時計の心臓部分であるヒゲゼンマイという部品が何かの弾みでからまってしまい、動きのリズムが早まって時間を進めているものと思われます。機械の状態が良く、油の残量が十分でしたら部分的な修復が可能ですが、ほとんどの場合はオーバーホールが必要となります。

■症状〜 ゼンマイ式の時計だがゼンマイを巻いても直ぐ止まってしまう
  内部の機械に注してある油がなくなっていたり固まっていることが原因で時計が止まることがよくあります。その他にはゼンマイを手で巻くときに反対方向に回していて、実際にはゼンマイが巻かれていないため動かないということもあります。ゼンマイを巻く方向は機械の種類によって違いますので、もしわからない場合は両方向で試してみましょう。

■症状〜 クオーツ式で電池交換したばかりなのに止まってしまった
  電池を交換したのに動かないということは、機械の内部にゴミが引っかかっている可能性が大きいです。ゴミが原因で止まっているとすればオーバーホールすれば元通り動くようになるはずです。ただし機械内部のIC回路が故障している場合はこのIC回路を交換する必要があります。部品としてIC回路を供給していないメーカーの時計やアンティーク時計の場合は、このIC回路を交換できないことが多く修理不可能ということになります。

■症状〜 自動巻きがうまく巻けない
  自動巻きは内部のローターという部品が回転することによってゼンマイを巻き上げる仕組みです。油がなくなってきますとローターが回転しづらくなりますので、巻き上げの効率が低下します。ローター部分の油がないということは、他の部分も同様に油切れを起こしている可能性が高いのでオーバーホールすることをお勧めします。自動巻きは時計をはめている腕を動かすことでゼンマイを巻き上げますが、日常の体の動きだけではあまりたくさん巻き上げるところまではいきません。できれば朝時計をはめるときに手で30回くらい巻き上げてやることをお勧めいたします。

■症状〜 竜頭が抜けてしまった
  3時の位置にあり時刻をあわせるときに使うねじの頭のようなものを竜頭と呼びます。竜頭を機械内部で留めているネジが単に緩んで抜ける場合もあれば内部の部品が破損したため抜ける場合もあります。竜頭が抜けたときは無理に取り付けようとするとかえって内部の機械が損傷する可能性がありますのでご注意ください。時計の状態により、オーバーホールの他に竜頭や機械部品の交換が必要となることがあります。

■症状〜 ガラス(またはプラスチック風防)が割れてしまった
  ガラスの破片が文字盤とケースの隙間などから内部に入り込む可能性があります。破片が機械内部に入ったまま使い続けると歯車などの部品が破損するおそれがあります。ガラスの破損状態によりガラス交換に加えてオーバーホールをする必要がある場合もあります。

■症状〜 水に濡れたら止まった
  時計内部に水が浸入したことで部品に錆が出始めているかもしれません。機械部品の錆がひどくなると修理不能となることがあります。時計内部に水が入った場合は一刻も早くオーバーホールする必要があります。時計修理店に持ち込むまでに日数がかかればかかるほど、修理できる可能性は低くなります。たとえ防水性能の高い時計であっても、出荷時の防水性能はいつまでも保持できるものではありません。水周りで時計を使用する場合は時計のスペックを過信せず取り扱いに注意してください。

■症状〜 時計内部で異音がする
  時計部品を留めているネジなどが緩んで部品が外れている可能性があります。できるだけ早めに時計修理店で見てもらいましょう。自動巻きの時計の場合はゼンマイを巻き上げるためのローターが裏蓋にこすれて異音がする場合もあります。簡単な調整で修正できる場合もあれば部品交換が必要な場合もあります。

■症状〜 ガラスの内側がくもる
  時計の密閉性が低下しているため時計のガラス縁、竜頭取り付け部分あるいは裏蓋とケースのかみ合わせ部分等から水分が浸入したと考えられます。内側のくもりがいつまでも抜けないようですと、機械部品等が錆びるおそれがあります。古い時計の場合はケースやパッキンの劣化により製造当時レベルの防水性能をキープすることは難しいので、大雨の日は使わないようにするなど使用方法に工夫が必要です。

■症状〜 落としたら止まった
  時計をテーブルなどから落下させた場合に内部の機械部品がは破損することもあります。どの部品が破損したかによって修理代金は変わってきますので、具体的には時計修理店にてご相談ください。機械部品がずれたり外れたりしている場合でも時計が止まることがあり、その場合は部品が破損したときに比べると軽症と言えるでしょう。

■症状〜 針がずれている
  時刻を12時に合わせたときに長針と短針がきれいに重ならないことがあります。針の取り付け方が悪かった場合は長短針を取り付け直すとうまく修正できます。しかし針を軸に取り付ける部分が変形・劣化している場合などは修正ができないこともあります。また低価格の時計では必ずしも文字盤の目盛りに対して針の先がぴったり合わないものもあり、修理や修正が不可能なものもあります。

│ Back │